2026.08.28
2026年上半期、訪日韓国観光客誘致施策によくあるご相談
「韓国施策は難しい。」
韓国市場の相談で、最初に出てくるのは施策の名前です。NAVERブログ、Instagram、YouTube、インフルエンサー。そのあとに、決まって同じ一言が続きます。
「再生数は悪くなかった。ただ、実際にお客様が来ているのかは分からない」
予算も人も動いています。それでも手応えだけが残りません。露出の数字は毎月届くのに、その先で何が起きたのかを示す数字だけが、どこにもないという状態です。
問題は施策の量ではなく、どこまでを見るかを決めていないことかもしれません。
韓国側では、何が起きているのか
観光庁の2025年の調査では、韓国からの旅行者が出発前に役立ったと答えた情報源はSNSが47.1%、動画サイトが43.8%、個人のブログが42.9%でした。上位三つがすべてコンテンツ側にあり、JNTOや地方観光協会のホームページはトップ10に入っていません。
(観光庁「インバウンド消費動向調査 2025年 年次報告書」韓国・観光レジャー/2026年3月31日公表)
公式サイトが不要なのではありません。発見をつくる場所ではなく、交通や営業時間、予約方法を確かめる場所として機能している、と読むほうが実態に近いはずです。
| 項目 | 見られがちな認識 | 実際に起きていること |
|---|---|---|
| NAVERブログ | やるべきか迷う施策 | 出発前情報源の3位(42.9%) |
| 公式サイト | 情報の中心 | 発見ではなく確認の場所 |
| インフルエンサー | 一度の露出で結果を見る | 続けて初めて積み上がる |

情報が多い市場では、芯のあるものだけが残る。
私たちが現場で見ているもの
いまは情報が溢れる時代です。Instagram、ブログ、YouTubeを合わせれば一日に何百件、何千件が発信されていて、その中で一件や二件だけを出して生き残るのは難しくなりました。メガインフルエンサー一人で即座に結果が出る場面も、いまはほとんど見かけません。
インフルエンサーはメディアです。ただし、ファンと会話するメディアであって、広告枠ではありません。修正の指示が増えるほど投稿は「言いたいことだけを言う紙面広告」に近づき、当然ながら反応は落ちていきます。
一方で、十人に依頼すれば十通りの答えが返ってきます。それ自体は間違いではありませんが、訴求の芯を先に決めずに渡すと、十回の露出が十個の別々の話になって積み上がりません。表現は自由に、芯だけは揃える。ガイドラインを用意してから渡すのは、そのためです。
続けること、芯を変えないこと、そして変わり続けるトレンドに合わせて表現だけを調整すること。一度や二度で結果を期待すると、ほとんどの場合は届きません。偶然当たるブランドもあります。ただ、それを設計できないとは思っていません。背景を調べ、時間をかければ届く確率は上げられます。難しいのは一度で当てることと、変化の速い韓国でその状態を保つことのほうで、どちらも別の企画が要ります。
芯が決まらないのか、決めたのに揃わないのか。同じ「効かない」でも、その二つは別の話です。