2026.08.26

NAVER戦略

韓国人訪日客は、どこで「ここに行こう」と決めるのか

韓国人旅行者を呼び込みたい地方の観光施設、宿泊施設、自治体、DMOにとって、重要なのは「韓国でどれだけ知られているか」だけではありません。

韓国人旅行者が検索したときに、その場所を実際の旅程に入れられるだけの情報があるか。それが、選ばれるかどうかを左右します。

訪日客の約4人に1人が韓国人。

2026年7月、日本を訪れた韓国人は89万4,700人で、前年同月比31.9%増。国・地域別では最大市場です。

(日本政府観光局 JNTO 訪日外客数 2026年7月推計値、2026-08-19 発表)

しかし、韓国人旅行者が増えていても、すべての地域が候補に入るわけではありません。検索しても情報が少ない地域、アクセスや予約方法が分かりにくい施設は、比較の段階で外れてしまいます。

SNSで発見し、検索で決める

私たちが韓国向けの施策を設計するとき、旅行者の動きはおおむね次のように進みます。

  1. Instagram、YouTube、TikTokで新しい風景や体験を知る
  2. 航空便、日程、予算、移動距離から候補を絞る
  3. NAVERやGoogleで、アクセス、料金、口コミ、予約方法を調べる
  4. 地図、ブログ、動画、OTAを比較し、旅程を組み立てる
  5. OTAや公式サイトで宿泊・交通・体験を予約する

韓国人旅行者の意思決定の流れ

発見はSNS、決定は検索。旅程に入るかどうかは02〜04で決まる

SNSは「行ってみたい」という気持ちを生み出します。

一方で、検索は「自分でも行ける」「失敗しなさそうだ」という確信をつくります。

たとえば、温泉や絶景の動画を見て興味を持っても、旅行者はすぐに次のことを確認します。

  • 空港や主要駅から、どのくらいかかるのか
  • 車が必要か、公共交通機関だけで行けるか
  • 韓国語または英語で予約できるか
  • 大人3〜4人で同じ客室に泊まれるか
  • 周辺で食事や買い物ができるか
  • 実際に訪れた人は、どんな点に困ったか

魅力が伝わっても、旅程に組み込むための情報が足りなければ、予約にはつながりません。

韓国語コンテンツが、判断材料になる

韓国の旅行情報探索で、NAVERは現在も重要な存在です。

旅行者は施設名だけではなく、「福岡近郊 温泉」「九州 女子旅」「日本 地方都市 レンタカー」「日本旅館 4人部屋」のように、地域名と旅行目的・条件を組み合わせて検索します。

NAVERは2025年3月、検索結果で要約回答や関連コンテンツを示す「AIブリーフィング」を導入しました。AIによる要約とあわせ、参照されたコンテンツや作成者への導線も示す設計です。

(NAVER Corp. プレスリリース、2025年3月)

そのため、韓国語で具体的な訪問情報が見つからない地域は、検索結果でもAIによる要約でも、候補として扱われにくくなります。

反対に、訪問体験に基づく韓国語コンテンツが蓄積されれば、知名度が高くない地域でも、比較・検討の候補に入る余地が生まれます。

投稿数より、判断できる情報

インフルエンサー施策で短期間にSNS投稿を増やすことは、認知拡大には有効です。

ただし、予約前の旅行者が必要としているのは、似たような感想の数ではありません。自分の旅行条件に合うかを判断できる情報です。

自然に囲まれた、ゆっくり癒やされる旅館でした。

この表現だけでは、実際に行けるかどうかは分かりません。

福岡空港からレンタカーで約1時間20分。公共交通機関の場合は、最寄り駅から予約制の送迎を利用します。周辺の飲食店は少ないため、夕食付きプランが安心です。

こちらは、旅行者が旅程に入れられるかを判断できます。

とくに地方では、同じ項目でも「書き方」で判断できるかどうかが変わります。

項目 判断できない書き方 判断できる書き方
アクセス 自然に囲まれた静かな場所 福岡空港からレンタカーで約1時間20分
交通手段 少し不便ですが価値あり 最寄り駅から予約制の送迎あり
客室 家族連れにもおすすめ 和室は最大4名まで同室可
食事 周辺にお店もあります 徒歩圏の飲食店は2軒。夕食付きプラン推奨
予約 公式サイトから 韓国語対応なし。英語フォームまたは電話

注意点を隠すのではなく、事前に伝えることが重要です。旅行者が自分に合うかを判断できるため、現地での不満や予約後のキャンセルを減らすことにもつながります。

まず確認したいこと

以下のうち二つ以上に当てはまる場合は、韓国の検索環境を確認することをおすすめします。

  • 韓国語で地域・施設情報を検索しても、十分な情報が見つからない
  • 東京・大阪などの主要都市圏以外にある
  • 予約前に比較検討が必要な高価格帯の商品である
  • アクセスや予約方法が複雑である
  • 女性2〜4人、カップル、少人数の個人旅行者を想定している
  • 公共交通機関だけでは訪れにくい
  • 古い情報や不正確な情報が検索上位に残っている
  • 現地に行かなければ分からない魅力が多い

重要なのは、「ブログを始めるべきか」ではありません。

韓国人旅行者が検索したとき、何が表示されているか。

その情報だけで、訪問を決められるか。

旅先の選択は、日本に到着してから始まるのではありません。韓国で検索し、比較し、予約を検討する瞬間から始まっています。

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